生成 AI が書いたコード、読めますか?

第1章では、生成 AI に頼むだけで Python コードが手に入ることを学びました。でも実際にコードが出てきたとき、「これ、何が書いてあるんだろう?」と感じた方も多いはず。
この章では、Python の基本的な文法を押さえながら、生成 AI が作ったコードを「なんとなく読める」「自分で少し手直しできる」レベルに引き上げることを目指します。完全に暗記する必要はありません。雰囲気をつかむことが大切です。
Python の基本文法、まずはここだけ押さえよう
1. 画面に文字を表示する — print()
Python で最もよく使う命令のひとつが print() です。カッコの中に書いたものを画面に表示します。
python
print("Hello, World!")
# 出力結果: Hello, World!
文字を表示するときは、"(ダブルクォーテーション) か '(シングルクォーテーション) で囲むのがルールです。
2. 数値を扱う — 四則演算
Python は電卓のように計算ができます。
python
print(3 + 5) # 足し算 → 8
print(10 - 4) # 引き算 → 6
print(2 * 6) # 掛け算 → 12
print(15 / 4) # 割り算 → 3.75
# から始まる部分はコメントといい、プログラムの動作には影響しません。メモ書きとして使います。
3. 値を記憶する — 変数
「変数」とは、値に名前をつけて保存しておく仕組みです。同じ値を何度も使うときや、後で値を変えたいときに便利です。
python
price = 1200 # 価格を変数 price に保存
tax_rate = 0.1 # 税率を変数 tax_rate に保存
total = price * (1 + tax_rate)
print(total) # 出力結果: 1320.0
変数名はわかりやすい英語にするのが慣習です。日本語も使えますが、英語の方がトラブルが少なくなります。
4. 条件によって処理を変える — if 文
「もし〇〇なら△△する、そうでなければ□□する」という分岐処理が if 文です。
python
score = 75
if score >= 80:
print("合格です!")
else:
print("もう少し頑張りましょう")
# score が 75 なので → 「もう少し頑張りましょう」と表示される
インデント(字下げ) が重要です。if の下の行は必ず半角スペース4つ(またはタブ)で字下げしてください。Python はこの字下げで「どこからどこまでが if の処理か」を判断します。
5. 同じ処理を繰り返す — for 文
同じ作業を何度も繰り返すときは for 文が活躍します。
python
fruits = ["りんご", "バナナ", "みかん"]
for fruit in fruits:
print(fruit)
# 出力結果:
# りんご
# バナナ
# みかん
リスト([] で囲んだデータの集まり)の中身を、ひとつずつ取り出して処理するイメージです。
6. 処理をまとめる — 関数
同じ処理を何度も書かずに済むよう、処理をひとかたまりにして名前をつけたものが関数です。
python
def greet(name):
print(f"こんにちは、{name}さん!")
greet("田中") # → こんにちは、田中さん!
greet("鈴木") # → こんにちは、鈴木さん!
def が関数を定義するキーワードです。一度作れば何度でも呼び出せるので、コードがすっきりします。
生成 AI のコードを読んでみよう
では実際に、生成 AI が作ったコードを読む練習をしてみましょう。第1章で登場した「おみくじプログラム」を例に見ていきます。
python
import random
print(random.choice(["大吉", "中吉", "小吉", "吉", "凶"]))
1行目:import random import は「外部のツールを呼び込む」命令です。random はランダムな値を扱うためのライブラリ(道具箱)で、Python に最初から入っています。
2行目:random.choice([...]) random.choice() は、リストの中からランダムに1つ選ぶ関数です。["大吉", "中吉", "小吉", "吉", "凶"] というリストの中からひとつを選んで、print() で画面に表示しています。
たった2行ですが、「ライブラリを読み込む → リストからランダムに選ぶ → 表示する」という流れがしっかり詰まっています。
生成 AI へのプロンプトを工夫しよう
生成 AI から質の高いコードを引き出すには、プロンプト(依頼文)の書き方が重要です。5つのコツを紹介します。
コツ① 背景・条件・欲しい結果をセットで伝える
漠然と聞くより、状況を整理して伝えると的確なコードが返ってきます。
「売上データが入ったCSVを読み込んで、商品ごとの合計金額を
算出するPythonコードを書いてください。」
コツ② 役割を与える(ロールプレイ)
「専門家として」と伝えることで、より詳しい回答が期待できます。
「あなたはPythonの熟練エンジニアです。初心者でも理解できる
コメント付きで、ファイルを自動でリネームするコードを書いてください。」
コツ③ 手順を分けて説明してもらう
複雑な処理はステップごとに解説してもらうと理解しやすくなります。
「Excelファイルを読み込んでグラフを作成する手順を、
ステップごとに説明しながらコードを書いてください。」
コツ④ 納得いかなければ言い方を変えて再質問
同じ質問でも表現を変えると、違う角度からの回答が得られることがあります。
「さっきのコードをもう少し短く書くとどうなりますか?」
コツ⑤ 出力の形式を指定する
どんな形で答えてほしいかを明示すると、使いやすい回答が返ってきます。
「結果を表形式(日付・商品名・売上額の3列)で出力するように
してください。」
生成 AI を使うときの注意点
便利な生成 AI ですが、使い方を誤るとトラブルにつながることもあります。以下の点は必ず意識しておきましょう。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 社外秘・個人情報は入力しない | 入力内容が AI の学習データに使われる可能性がある |
| 回答を鵜呑みにしない | 生成 AI は誤った情報を自信満々に答えることがある |
| 重要な判断は自分で行う | AI はあくまでサポートツール。最終責任は人間にある |
| 組織のルールに従う | 会社や学校の AI 利用ポリシーを確認しておこう |
第2章まとめ
この章では、Python の基本文法として print()・変数・if 文・for 文・関数を学び、生成 AI のコードを読み解く練習をしました。また、より良いプロンプトを書くための5つのコツと、生成 AI を安全に使うための注意点も確認しました。
次の章では、定期的に自動で動くプログラムの作り方と、生成 AI を使った応用・デバッグ(エラー修正)の方法を学んでいきます。いよいよ実践的な内容に入っていきますよ!


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